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クルマのボンネットマスコットについて・・・

2022.04.04

 

 

 

 

 

こんにちは大阪営業所の柏木です。
今回は、新型車にはほとんどついているのを見かけなくなったボンネットマスコット
について話していきたいと思います。

ブランドの象徴「ボンネットマスコット」 装着車減少の理由とは

クルマには、ブランドをあらわすエンブレムが付けられています。
エンブレムはクルマの前後に取り付けられていることが一般的で、エンブレムを見るだけでどのメーカーのクルマかなどを判断することができます。

車種によっては同メーカーでも異なるエンブレムが取り付けられていることもあります。
また、エンブレムのなかにはボンネットの上に立体化させて装着しているクルマも見られます。
これは、「ボンネットマスコット」と呼ばれるもので、クルマの中央先端に取り付けられていることが一般的です。
そんなボンネットマスコットは、近年のモデルで採用されるケースがほとんど見られなくなりました。一体なぜ、減少傾向にあるのでしょうか。

ボンネットマスコットはブランドの象徴として、これまでメルセデス・ベンツやジャガー、ベントレー、ロールスロイスなど、輸入車に多く取り付けられていました。
日本でもかつては、日産「セドリック/グロリア」や、トヨタ「クラウンマジェスタ」、マツダ「ルーチェ」といったクルマに採用されていました。
最近、新車同様にレストアされたことで話題となった、女優・伊藤かずえさんの日産「シーマ」にも装着されています。

このように日本でも過去にボンネットマスコットが採用されていたクルマがありましたが、現在では新車への採用はほとんど見られません。これにはどういった理由があるのでしょうか。

道路交通法などに詳しい専門家は以下のように話します。

「ボンネットマスコットは、人体との接触の危険性を考慮し、法令が改正されました。
クルマのボンネットは、人と正面からぶつかった際にもっとも人体と接触する面積が大きく、ダメージを与えやすい部分です。
そのため、ボンネットに飛び出た形で設置されるボンネットマスコットは、事故の際に歩行者へのダメージを増幅させる可能性があるので、規定が定められました」
ボンネットマスコット採用の減少には、安全面が考慮されたことが要因のひとつといえます。

法令は2001年6月に、自動車の国際基準調和の一環として道路運送車両の保安基準等が改正され、国際基準である「乗用車の外部突起(協定規則第26号)」が導入されました。
「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の別添20では、「自動車の外部表面には、外向きに鋭く突起した部分があってはならない。自動車の外部には、衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有するいかなる突起を有してはならない」と記載されています。

また、次の条文には「自動車の外部表面には、外側に向けられ、歩行者若しくは自転車又は二輪自動車等の乗車人員に接触するおそれのあるいかなる部品もあってはならない」との規定があります。
こうした法令に、ほとんどのボンネットマスコットは抵触する可能性があるうえに、歩行者保護の観点から、現在では採用がほとんど見られなくなったといえます。

メルセデス・ベンツやロールスロイスなど一部メーカーは採用し続けている

法令の改正により、数を減らしたボンネットマスコットですが、現在でも海外ブランドのなかには採用されているモデルも見られます。
法令では、「鋭い突起を有してはならない」との記載がありますが、一定の条件をクリアすれば、ボンネットマスコットのような突起物でも外装に装着することが可能となっています。

前述の告示のなかには、「装飾部品であってその支持部から10mmを超えて突出しているものは、その先端部分に対し、装飾部品を取り付けた表面に平行な平面内のあらゆる方向から10daNの力を加えた場合に、格納する、脱落する又はたわむものでなければならない」との記載があります。

10daNとは、およそ10kgの重さを加えたときと同等の状態を指しており、体の一部がボンネットマスコットに力が加わったときに、人への危険性がないように格納や脱落、たわむ必要があります。
このため、現在もボンネットマスコットを採用しているクルマには、さまざまな工夫が見られます。
例えば、メルセデス・ベンツ「Eクラス」や「Sクラス」は、衝撃が加わった際にボンネットマスコットが倒れる可倒式を採用しています。

仮に歩行者や自転車と接触した際には、しっかりと衝撃が緩和されるようになっています。
またロールスロイスのボンネットマスコットは、衝撃を感知すると車体内部へ格納されるようになっており、衝撃緩和はもちろん盗難防止にも繋がります。

さらに、こうしてボンネットマスコットが倒れたり、格納されたあとには、「格納、脱落又はたわんだ後に残った突出量が10mm以下」になる必要があるため、両メーカーともに、台座も含めこの規定の範囲内に収まるように設計されています。
さまざまな工夫を施し、採用し続けているボンネットマスコット。
ブランドを象徴するひとつであることから、簡単に取り払えるようなものではないといえるでしょう

いかがでしたか?
今回は、最近見かけることのなくなったボンネットマスコットについてでした。

ではまた来週

 

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