こんにちは大阪営業所の柏木です。
今回は、僕たち運送業に欠かせないトラックの燃料の軽油についてです。
今回も、車の豆知識なのですが、お付き合いください・・・(笑)
軽油とは?
軽油は、ガソリンや灯油と同じで原油を蒸留して抽出される石油精製品です。常圧蒸留装置を使い、沸騰する温度ごとに燃料を分けています。日本に輸入される原油は、中東の原油が多く硫黄分が多く含まれています。そのため、水素化脱硫装置を使い、不純物を取り除いています。
軽油の使い道は主に、ディーゼルエンジンの燃料です。ディーゼルエンジンは車だけでなく船舶などの広い分野で使われています。
軽油とガソリンの違い
軽油もガソリンも、原油を蒸留して作られるものですが、その違いは沸点温度です。軽油の沸点温度は240℃~350℃、ガソリンは35℃~180℃となっています。このように、同じ燃料でも沸点温度に大きな差があるのです。
低温でも沸騰するガソリンは、非常に引火性が高く、プラグがスパークすることによってエンジンを起動させます。反対に軽油は、着火点が低く、圧縮による自然発火によってエンジンを動かしています。
軽油はガソリンよりなぜ安い?
ガソリンスタンドを利用すると、レギュラーガソリンよりも軽油の方が安くなっている場合が多くあります。ガソリンよりも軽油が安い理由は、税金の影響です。ガソリンにはご存知の通り、ガソリン税というものがかかっています。
ガソリン税は、揮発油税(1Lあたり48円60銭)と地方揮発油税(5円20銭)を合わせたものです。一方の軽油には、軽油取引税の32円10銭が加算されています。このため現状では、ガソリンと軽油には税金で21円70銭の税金差が生じているのです。
税金を引いた場合の価格を比較すると、下記のようになります。
レギュラーガソリンの店頭価格が145円とすると、145-(48.6+5.2)=91.2円
軽油の価格が125円だとすると、125-32.1=92.9円
単純な本体価格では、軽油の方がガソリンよりも高くなっています。
軽油をガソリン車に入れてしまうとどうなる?
軽油とガソリンはそれぞれ異なる性質を持っています。そして、エンジンもそれぞれの特性に合わせて作られているのです。したがって、燃料の入れ間違いは、トラブルの原因になります。
ガソリン車に軽油を給油してしまうと、元々残っていたガソリンと軽油が混ざり合い、エンジン出力が低下、さらにはアイドリングの不調を引き起こします。また、給油ぎりぎりで軽油を入れると、軽油を燃焼させられないので、黒い排気ガスが発生する場合もあります。
最初にガソリンタンクに残っているレギュラーガソリンが消費され、レギュラーガソリンがなくなり軽油が供給されると、点火プラグにすすがつくため、不完全燃焼を起こして、着火性能が落ちます。そのまま不完全燃焼の状態が続くと、燃焼が出来なくなってしまうため、エンジンは完全に停止してしまうのです。
このため、ガソリン車に軽油を誤って入れてしまった場合は、速やかな対処が求められます。
ガソリン車に軽油を入れてしまったときの対処法
ガソリン車に軽油を誤って入れてしまった場合は、タンクから軽油を抜く作業が必要になります。そのため、自分自身では対処しきれないので整備工場やJAFなどの業者に依頼することになります。
また、軽油を入れて走行した場合は、異変に気付いた場合にはすぐに停車して、エンジンを止めて下さい。その後、JAFなどに連絡してレッカー移動を頼みます。レッカー移動された車は、整備工場に運ばれ修理を行います。ガソリンタンクの軽油を抜き、洗浄します。その後、ガソリンを給油しエンジンがかかれば問題ありません。
ただし、経由を抜いてから洗浄後、ガソリンを注入してもエンジンがかからない場合、部品交換なども必要になります。場合によっては、エンジンを分解し、パーツごと洗浄、部品交換をして組み直すなどの工程が必要にある場合もあります。
こういった大規模な修理になると、費用は数十万円に及ぶこともあります。軽自動車の修理代としては高額なため、諦めて廃車にするケースも少なくありません。1回軽油を入れてしまうだけで、取り返しのつかない事態に繋がってしまいます。特に、セルフスタンドなどを利用する際は、細心の注意を払いましょう。
いかがでしたか?
今回は、軽油についてでした。
ではまた来週