まず最初に、声を大にして言わせてください。
荷物は左右均等に積むのが基本です。片積みはダメ、絶対。
偏荷重はタイヤの偏摩耗やブレーキ性能の低下を招き、横転事故の引き金になります。荷台のバランスを均等に保つことこそが、安全運行の鉄則です。
……という大原則を頭に叩き込んだ上で、今回はあえて「裏技としての極論」をお話しします。
でもどうでしょうか。実際大きい工場などに行くと、そういう場面は多々あります。
とりあえず工場内のA倉庫で左側の荷物全部卸してから、もう一度ここにきてね。なんて言われたりすることも。
「片荷はちょっと怖いので。。。」
理想をいえばはっきりと安全のために断ることが大事ですが、実際こういうことを言うと現場ではどのような対応をとられるか。
「いつものドライバーさんはやってくれるのに・・・」
「チっめんどくせーな」
など小言を言われます。本当ですよ。現実は厳しいです。
もし、何らかのトラブルや現場のやむを得ない事情で、「片側に寄せて積むか、死ぬか」という究極の2択を迫られたとしたら。ドライバーはどちらを選ぶべきか。
答えは、迷わず「助手席側(左側)」です。
1. 道路は「かまぼこ型」に傾いている
普段走っているアスファルトの道路は、実は平らなように見えて真っ平らではありません。雨水を効率よく排水して水たまりを防ぐため、中央が高く、路肩に向かって低くなる傾斜(横断勾配)がつけられています。
そして日本は左側通行です。つまり、道路を普通にまっすぐ走っているだけでも、トラックは常に車体がわずかに左(助手席側)へ傾いた状態になっています。
2. なぜ運転席側(右)に積むと危険なのか?
もしこの状況で、傾斜の高い「運転席側(右側)」に荷物を固め、助手席側(左側)をガラ空きにして走ったら何が起きるでしょうか。
荷物は常に「左下の谷底」に向かって重力で引っ張られ続けます。 その状態で段差を越えたり、交差点を右折して遠心力がかかった瞬間、高い位置にあった重い荷物は、空いた左側のスペースに向かって少しずつ滑り落ちます。
勢いをつけて滑った荷物が左側の壁(アオリやウイング)に激突すれば、荷物が大破するだけでなく、壁を突き破ったり、その衝撃でトラックごと横転する大惨事になりかねません。物理的に見ても最悪のトラップです。
3. 壁に最初から寄りかからせるように
だからこそ、究極の選択を迫られた時は「助手席側(左側)」を選びます。
最初から一番低い左側の壁にある程度寄せて積んでおけば、荷物はずれても壁に密着するため、それ以滑り落ちる余地(助走スペース)がありません。また、走行中に荷物が重力に逆らって右側(坂の上)へ勝手に駆け上がっていくことも物理的にあり得ません。
「道路の傾斜を利用して、最初から低い側の壁に預けておく」ことで、最悪の荷崩れを防ぐという現場の知恵です。
おわりに
繰り返しますが、これはあくまで「知っておくと役立つかもしれない極限の雑学」です。現場では可能な限り荷物をセンターに寄せ、ラッシングベルトやバーを使ってしっかり固定するのがプロの仕事。
「道路の傾きまで計算して荷崩れを防いでいる」というトラック乗りの物理感覚、頭の片隅の豆知識として楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに、この説に明確なソースはありません。私がただ先輩に教えられただけです。
「だから、荷物は結構左に傾くこと多いっぺ?」
と言われ、なんとなくその日からそう思っている、くらいの温度感です。
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